結婚披露宴の新郎新婦入場では年配のゲストに声をかけます

結婚自体は「市役所に婚姻届を出す」という極めて事務的な手続きで終了します。
紙切れ一枚出すだけのことです。
結婚披露宴は結婚したという事実を周囲に知らせるためのものです。
昔から結婚は政治的な繋がりを作るための道具に使われ、結婚する本人達の意思よりも家と家の繋がりを確認することが重要視されていたのです。
社会科で習った藤原氏のやり方がそのいい例です。
政治とは関係が無くても、ほんの50年ほど前なら、相手の顔も知らずに親のいいなりに結婚するのは珍しいことではなかったのです。
現在は結婚する本人同士の意志が尊重されるようになって来ましたが、それでも、平凡な生活を送ってきた一個人が身分不相応にスポットライトを浴び、着慣れないドレスを着て、顔も名前も知らない相手方の上司や親戚の視線を受けながらじっと座っていなければならないのは、家の尊厳にかかわるためです。
最近は婚姻届を出す前から一緒に住んでいるというカップルも多いですし、ある程度の年齢を重ねてから結婚する人も増えています。
そういった人たちにとっては今更結婚式や結婚披露宴をするのは気恥ずかしいものかもしれません。
お互いの親、親戚にとって必要なことだからしているという場合も多いのです。
そうはいっても、結婚披露宴をするからには参加してくれた皆さんに楽しんでもらいたい、喜んでもらいたいものです。
しかし家の体裁のための結婚披露宴ですから、あまり変わった演出はできません。
昔ながらの一般的な披露宴の方が年配の方々には喜ばれるのです。
基本的なスタイルを崩さずに自分達らしさを出すという工夫が必要なのです。
私たちの結婚披露宴は400人規模でした。
もちろん人生の中で400人もの人を前にスポットライトを浴びたりドレスを着たりした経験は後にも先にもこの一回きりです。
これぐらいの人数になると一人ひとりとゆっくり話をする機会はありません。
そこで、ゲストのテーブルに一言メッセージを置いておきました。
そこには新しい住所と、ほんの一言ですがその人と私達をつなぐエピソードや質問を書いておきました。
結婚して赤ちゃんのいる友達には「先輩ママとしてのアドバイスを教えて下さい」、親戚の方には「夫婦円満の秘訣を教えて下さい」とか「(結婚相手の)小さかった頃のエピソードを教えて下さい」といったことです。
ゲストの方たちと話ができるのは披露宴前後と新郎新婦入場で各テーブルを回る時だけです。
披露宴前後は特に職場の同僚や友人など若いゲストの方が集って順番待ちのようになり、急いでいる方や年配の方にはお話をする機会は回ってこない場合があります。
しかし年配のゲストといえば学生時代の恩師だったり親と関係が深い方である場合が多いので、丁寧に対応したいものです。
そこで新郎新婦入場のあと各テーブルを回る時に、特に年配のゲストの方に声をかけるようにし、一言メッセージの質問の答えをもらうようにしました。
若いゲストの方々とはこちらからアプローチしなくても会話する機会がたくさんあるからです。
実際に結婚披露宴が終わった後、親や親戚の方々の反応を見ると好印象だったらしく、家の体裁のための披露宴という目的は充分達成できました。
もちろん嫁としての印象もアップして一石二鳥でした。

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