一度断られた結婚披露宴でのスピーチが、素敵な思い出に・・・

昨年結婚しました。
会費制の結婚披露宴でした。
双方の負担を軽減するために選択したやり方でした。
引き出物をなくしたり料理のランクを下げたこと、上司や遠方の親せきを呼ばないといった線引きはしたものの、披露宴のポイントは従来のものを取り入れたので、私側の友人にはスピーチをお願いしました。
ところが「緊張するから」という理由で一旦断られました。
彼女の普段の「言葉」がとても好きだった私はあきらめきれず再度お願いしたところ「手紙を司会の人に代読してもらうという形で良ければ引き受けます。
スピーチはしたいし、私を選んでもらえてうれしいけれど、どうしても今から当日までの緊張に耐えられそうにないから」という理由でした。
どんな形であれ引き受けてくれたことがとてもうれしく、どんな手紙を書いてくれるのか楽しみに当日を迎えました。
その日、新婦控室に入ると「〜〜さんへ」と書かれた一通の手紙とプリザーブドフラワーがテーブルに置いてありました。
担当メイクさんが「メイクを始める前にこれを読んで下さいとのことで置いてありました」とおっしゃるので開けてみてみると、手紙をお願いしている友達からでした。
「今日は本当におめでとう。
スピーチの件では一旦お断りして嫌な思いをさせてしまってごめんなさい。
色々と考えたけど、今日はやっぱり自分の気持ちを自分の声で伝えたいと思い、勝手にプランナーさんに直接連絡をして代読をやめてスピーチさせて貰うことにしました。
すごく緊張して、変なこととか言っちゃうかもしれないけど、その時は笑ってね。
あなたが笑ってくれたらそれだけで緊張がほぐれそうな気がする。
あなたとご主人の顔を見ていたら、伝えられそうな気がする。
私、頑張るからね。
いいお式になることを祈っています」と書いてありました。
その時点で涙がこぼれました。
メイクと着付けを終えてロビーに出ると、一時間以上前からその子が一人で待ってくれていました。
顔を見た途端、二人で泣きました。
「本当にありがとう」それしか言えませんでした。
彼女が手紙と共に持ってきてくれていたお花は受付に飾り、いよいよ私たちの結婚披露宴が始まりました。
緊張を長引かせず楽しんでもらいたいから、スピーチは乾杯のすぐ後に持ってきてもらいました。
彼女が話してくれたたくさんの私たちへの言葉・・・。
感動で胸を打たれました。
あれだけ緊張する・・・と言っていたのに堂々とした挨拶に始まり、終始笑顔を絶やさなかった彼女を尊敬のまなざしで誰もが見つめていました。
彼女と私は会社の派遣社員と上司という関係でしたが、年齢や立場を超えて仲良くなれた大切な友人です。
私たちをずっと傍で見ていた同僚も数人来てくれていましたが、会社での私たちの仲の良い光景を思い出してそれだけでも涙が出た、と後で話してくれました。
会場は感動に包まれました。
翌日、彼女からこのようなメールが届きました。
「結婚式に招待してくれて本当にありがとう。
すごくいい披露宴で、スピーチの後は涙となぜか鼻水が止まりませんでした。
初めはお断りしてすごく嫌な思いをさせてしまったと思います。
でも私にこんな貴重な経験をさせてくれて本当にありがとう。
やって良かった。
本当にいい経験ができました。
今でも私の心に感動が残っています。
ありがとう。
そしてお幸せに。
これからもよろしくお願いします」。
思い出すと今でも涙が出そうになる幸せな思い出です。
彼女にお願いして本当に良かったし、結婚披露宴ではこういう心のこもったスピーチを聞きたい、自分が言う側に立った時もそうしたいと強く感じた出来事でした。
このような友達を持てたことを誇りに思っています。

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