身内の自己満足で終わらない結婚披露宴

結婚披露宴をしない、したくないというカップルも増えているそうですが、私もしたくないほうでした。
 でも、したくないと言っても、周りは納得しないことが多いです。
特に親戚づきあいにうるさい家などはその傾向があります。
私の場合は、相手の親がそうでした。
 結婚式には親戚を沢山呼んで、鯛の尾頭付きを出して、と色々言われました。
結局は親の見栄であり、古くからの慣習もあり、結婚する本人達の意思はどこへやら。
もちろん、古くからの慣習も大切にしたいので、私たちはそれに従いました。
「鯛を出したいから洋食はやめて」「遠くから親戚がくるから、わかりにくい場所は避けて」「有名なところがいい」等々、次から次へと出てくる親からの要望。
じゃあ全部聞きましょうということで、和食にし、有名な式場の系列を選び、送迎バスとタクシーチケットを頼み、ついでに引き出物も奇抜なものはやめてごく普通のものにしました。
当然、ウェディングケーキは天井まであるような大きなものを選択しました。
 これでもかこれでもかと親の意見に従い続けましたが、絶対に譲らなかったものがあります。
 それは、衣装と挙式です。
 徹底的に洋装と教会式を貫き、フリフリのドレスを提案されても聞き入れず、披露宴の数日前まで「やっぱりあのドレスとタキシードがいいんじゃないか」と言われ続けても首を縦に振らず……我ながら頑張ったものです。
 結婚披露宴は、新郎新婦が主役と言われますが、実際のところは来てくださるお客様が主役だと考えていました。
 ありきたりな披露宴になってしまうのはわかっていたので、「何かひとつでも思い出に残るおもてなしを」と考えたのです。
親の意見に従うからには、オーソドックスな中にも新しい物を取り入れていきたいと、結婚情報誌を片手に策を練りました。
 親に反対されない範囲で、前向きに。
簡単でもできることとして実行したのが、徹底した招待客への挨拶と会話です。
 私たちは当日、ホスト、そしてホステスに徹し、チャンスさえあれば誰かに声をかけ、ビールを注いで回り、忙しく動き回りました。
あまりひな壇にいない新郎新婦でしが、全ての招待客と言葉を交わすことができ、皆さんにも喜んでいただけました。
 そのための工夫として、お色直しは一回だけ。
それも新婦のみ。
ドレスも髪型も、早くチェンジできるものにしました。
洋装にしたのは、そのためです。
和装だと着替えに時間がかかってしまい、おもてなしする時間が削られてしまいますから。
 他には、キャンドルサービスで使用する曲をスローテンポのものにして、ゆっくりゆっくり席をまわり、お色直しの曲もスローテンポに。
そして招待客の席は、長テーブルを。
 定番の丸テーブルではなく、新郎側にひとつ、新譜側にひとつ。
つまり、ひな壇の両側に繋がるような二ツの長いテーブルを用意しました。
そうすることで、会話をしやすいスペースを作り、お色直しによる移動の際には二つのテーブルの真ん中を通ることで、誰からもよく見ていただける「通路」となります。
 これには思いがけない効果があり、後日、皆さんからいただいた入退場時の写真は全てベストショットになっていました。
写真を撮ってくださった方達は「いい写真が撮れた」と満足されていて、こういった形の満足感を抱いていただけたのも嬉しい誤算です。
 これ以外には派手なことができなかったのですが、これだけで充分でした。
いい結婚式だったと、誰からも言われました。
 小さな演出だったかもしれませんが、身内の自己満足だけで終わらない結婚披露宴にできました。
 大切な時間を割いて来てくださった皆さんに、少しでもおもてなしを。
結婚の御礼を。
それを心掛けた結婚披露宴でした。

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